We stand up again and again.

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大西京扇堂さんは京都に代々続く老舗の扇子屋にして
鴉という一見アウトローな大会のスポンサーに名乗り出てくれるくらい
新しいセンスを取り入れて新たな扇の形を提案し続けている。

ある時、僕たちにクリエイターやアーティストと組んで
世の中でここだけしかできない扇子をつくれないか？と打診をいただいた。

世の中はコロナ真っ只中。京都も外国人観光客が減り
お店は軒並み苦戦していた。

けれどそこで下を向いてばかりいても前には進まない
そう決心してのご依頼だった。

プロジェクトに参画してくれたアーティストのみんなも決して
楽な依頼ではない。伝統を再構築し提示する。
そこにはきっと目に見えない負荷もあったと思う。

が皆楽しんで取り組んでくれて、サンプルから形になるまで
しっかり取り組んでくれた。

僕はこのプロジェクトに「バタフライエフェクト〜日本の未来に届く風」という
タイトルをつけた。

バタフライエフェクトというのはいい意味で使われることのない言葉で
風が吹けば桶屋が儲かると同じ、小さな因果関係の連鎖をいう。

小さなきっかけから、未来を紡ぐようなそんな一瞬になってもらいたいと思った。

アートも伝統もともすれば、どちらもわかりづらく
そして今の時代に必要なものかと問われれば、なくても構わない人もたくさんいる。

けれどそういう「なくてもかまわない」けれど「あると少し人生が豊かになるもの」
そういうものの中にこそ、これからの時代の未来がある。

ここから届く小さな風に、僕たちはきっと未来を託した。